
枚方市長尾・藤坂・津田周辺の歯医者さん/あゆみ歯科クリニック長尾の歯科豆知識
「なるべく痛みを感じない治療を受けたい」という気持ちは、歯科医院を受診する多くの方にとっての本音かと思われます。なかには痛みや恐怖感のためにパニック状態になってしまう方もいることから、歯科医院では麻酔を使った治療を用意しています。
今回は麻酔の種類やメカニズム、注意すべきポイントなどについてご説明します。心理的・体力的な負担を軽減して安全な治療を受けるためにも、ぜひ今回の記事をお役立てください。
歯科治療における麻酔は、主に「局所麻酔」「全身麻酔」「精神鎮静法」の3つがあり、目的に合わせて使用されます。
まず局所麻酔は患部に麻酔をして感覚を消失させる方法であり、3つのなかでも特に頻繁に登場するものです。虫歯の注射や歯周病治療、乳歯の抜歯などに使われています。
これに対し、インプラントや高度な矯正治療、またはパニックに陥りやすい患者さまに対しては、全身麻酔が必要です。全身の感覚を失い、ほとんど眠っている状態で治療が進められるようになります。
精神鎮静法は、治療中の音やにおいが気になる方によく使われる方法です。例えば精神状態を落ち着ける「笑気ガス」がメジャーだとされています。同時に、痛みがある場所には局所麻酔を使用し、治療中の苦痛を軽減します。
それぞれの麻酔にかかる費用は、歯科医院や治療によって変わる場合があります。保険診療の治療と自由診療の治療では、その分費用も変わってくるためです。治療前には麻酔を希望することを伝え、費用がいくらになるかを確認しておきましょう。
持続時間と副作用についても、麻酔の種類によって異なります。例えばもっとも一般的な局所麻酔では、大人で1~3時間、子どもで1~2時間持続すると考えられています。治療や打つ場所によっても変わるので、心配であれば担当医師に質問してみましょう。
局所麻酔を受ける場合、アドレナリンの分泌によって頭痛や動悸、脳貧血や手足の震えなどの副作用があらわれることがあります。こちらはアドレナリンの作用が関係しているので、副作用の有無や強さは患者さまによって変わります。
副作用が気になる場合は必ず担当医師に相談し、万が一体調が悪くなったら遠慮せずに伝えましょう。
患部の痛みを消失させてスムーズな治療を可能にする麻酔のメカニズムは、いまだにはっきりと解明されていません。しかし、最近の研究によると、神経に働きかけることによってその効力を発揮するのではないかと言われています。
麻酔とは無痛や反射の喪失を促す治療法のことであり、それを実現するのが麻酔薬です。そのなかで局所麻酔は末梢神経を抑制し、全身麻酔では中枢神経を抑制します。それぞれの治療によって支障をきたす神経に働きかけることで、無痛状態での治療ができるようになるのです。
局所麻酔も全身麻酔も精神鎮静法も、神経を抑制してその効力を発揮するため、使用する際には注意が必要です。担当医師からも説明を受けますが、以下のポイントを必ずチェックしておきましょう。
特に局所麻酔には、日本で使用される麻酔薬には血圧を上げる成分が含まれているケースが多いです。通常であれば問題ない程度ですが、高血圧の方や糖尿病の方にとっては健康上の問題が発生する可能性があります。
また、心臓病などの持病がある場合にも、注意が必要です。もちろん歯科医院としても患者さまに危険性が伴わないように細心の注意を払いますが、万が一の危険性がないとは言い切れないものです。
血圧の問題や持病がある方は必ず担当医師に相談しましょう。普段から服用している薬についても伝えてください。
麻酔後は口の感覚が鈍り、感覚上で問題ないと思っていた刺激でダメージを受けることがあります。後になって出血や予想外の痛みに見舞われるケースも少なくないため、治療後の食事を控えましょう。どうしても何か食べたい場合には、熱くないものや柔らかいものなど、低刺激のものを選ぶのが理想です。
また、飲酒は血圧を上げて治癒を遅くしてしまうため、麻酔の後しばらくは避けましょう。担当医師からの説明を守り、治療後は安静に過ごしてください。
歯科医院で麻酔を受ける際、いわゆるアレルギー反応(アナフラキシーショック)があらわれるケースがあります。そのようなケースはまれだと考えられていますが、麻酔によって気分が悪くなることは否定できません。
少しでも麻酔や歯科治療に対して恐怖感がある場合は、必ず担当医師に相談しましょう。なるべく患者さまへの負担を軽減するための対策をとってもらえます。治療中の我慢は後になって思わぬ不調となるケースが多いため、少しでも違和感があったらすぐに伝えましょう。
痛みを軽減した治療には麻酔が必要ですが、安全な環境と状態が絶対条件となります。持続時間や副作用、注意ポイントについて予備知識を深め、万全な状態で歯科治療に臨みましょう。